マックスウェル・ヒルの古英国的魅力

マックスウェル・ヒルはそのイングリッシュバンガローと霧のブランケットと豊かな緑で冒険心を持ったどんな訪問者も魅了してしまう。

その場を雨をしのぐため、小屋で雨宿りをしていたら、霧が少ししか見えていなかったその取り囲む大自然を飲み込んでしまいました。私の古い四駆動の叫びが消え、母へミニピクニックを広げるよう合図をしました。サンドイッチ、ポテトチップスにチャイを食べながら、雨がその景色を豊かな緑に塗っていくのを見ていると、インドのロードトリップで思いがけないダーバストップをしていたこを懐かしく思います。熱いお茶がなかったら雨も楽しむことができません。でも今回はダーバは遠く離れており、また故郷の人気のあるヒルステーションの象徴の群衆とストリートマーケットからも遠く離れています。今回わたしたちはほとんどの観光マップには乗っていないマックスウェルヒルを目指しているのです。

霧に包まれたマックスウェル・ヒルの古英国な雰囲気。撮影:シーヴィア・ナス

マックスウェルヒルがその植民地的魅力を保持しており、孤立してしまった理由として小心者には厳しい丘を上がる旅があげられます。クアラルンプールから景色のよい4時間ドライブで丘のふもとにたどり着きますが、そこから険しい曲がりくねった道を4,5時間トレッキングしなくてはなりません。

マックスウェル・ヒルへと続く曲がりくねった道。撮影:シーヴィア・ナス

トレッキング以外の方法としてルートを通うジープに乗ることができます。丘と同じくらい古いものですが、ドライバーは経験豊富です。

私たちの古い4駆動とドライバー。撮影:シーヴィア・ナス

お茶を半分飲んだところで雨と風が急に止み、霧は晴れ、雲は流れて青い空が見えてきました。ここに来てから初めて木のてっぺんが見え、濡れた地球のアロマが大気を包みます。私は辺りを見回して、神様がゲームでも遊んでいるのではないかと思いました。今までキャメロンハイランドとゲンティンを訪れたことがありますが、このような激しい天気の変わりようは経験したことがありませんでした。

私は孤立した英国スタイルのバンガローが立っている丘の端の方へすすみました。窓は雨で濡れており、正面の小さなお庭には緑の草と鮮やかな花が広がっています。その昔イギリスがマレーシアを植民地化した時代、ここに詩人か画家が住み、マックスウェル・ヒルの魔法の世界を言葉や色で描いていたのではないかと想像しました。このヒルステーションは1880年代にウィリアム・エドワード・マックスウェルによって発見されました。

静かな週末を過ごせるロイヤル古バンガロー。撮影:シーヴィア・ナス

マックスウェル・ヒルは日帰り旅行名所だとばかり思っていましたが、驚いたことにいくつかの英国のバンガローは短期間借りることができることを知りました。大抵は3ヶ月前には予約でいっぱいになってしまうそうですが。

夜が近づくにつれて、帰りのジープのお迎え来る気配がなかったので、私は妹と丘のふもとへ歩いて帰ることにしました。行きの道は息を呑むほど美しく、赤と黄色の花が咲き乱れ、見晴らしポイントからは丘が一望でき、車線は森へと続き、暗かった空はたちまち青空に変わりました。そんな夢は私たちをふもとまで連れて帰ってくれるジープのうなり声で邪魔されてしまいました。父によると、それが現実、だそうです。

ブキット・ラルーakaマックスウェル・ヒルへ別れを告げる。撮影:シーヴィア・ナス

半分丘を下ったところで、ドライバーが霧に包まれた車線への回り道を決めたため、母親がパニック状態に陥りました。想像とは全く違い、小さな古いヒンドゥーテンプルで帰りのお迎えを待つ乗客をピックアップしに来ただけでした。母親は安堵し、祈りを捧げていました。空を見上げるとまたもや魔法がかかったようでした。雲がゆっくりと下りてきて、天国が私たちにさようなら、といっているようでした。ふもとへたどり着くと、私たちは下りてきた道を見上げながらまたここに戻ってきてマックスウェルの魔法をもっと感じたい、と思いました。

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